直葬(ちょくそう)とは通夜や告別式を行わない、火葬のみの葬儀のことで、火葬式とも呼ばれています。
僧侶を呼ぶ場合と呼ばない場合が有りますが、身内だけで火葬のみを行う為、葬儀費用がかなり安くおさえられるのがメリットです。
最近では核家族化や隣近所との付き合いの希薄化などにより、都市部を中心に火葬のみの「直葬」が増加傾向にあります。
近くの直葬が可能な葬儀屋を探す
|
直葬(火葬のみ) 比較表
葬儀社名 | 遺体搬送 | カード 分割払 |
火葬のみ (直葬) |
一日葬 | 家族葬 |
---|---|---|---|---|---|
よりそうの葬式 | 〇 | 〇 | 133,000円~ | 253,000円~ | 373,000円~ |
アーバンフューネス | 〇 | 〇 | 154,000円~ | 402,700円~ | 403,000円~ |
小さなお葬式 | 〇 | 〇 | 119,000円~ | 299,000円~ | 449,000円~ |
いい葬儀 | 〇 | △ | 斎場による | 斎場による | 斎場による |
やさしいお葬式 | 〇 | △ | 98,000円~ | 278,000円~ | 438,000円~ |
心に残る家族葬 | 〇 | 〇 | 130,000円~ (123,636~) |
304,545円~ (298,182~) |
450,000円~ (443,636~) |
※全て税引き価格です。※心に残る家族葬の( )内は資料請求後の割引価格です。
直葬葬おすすめランキング
直葬の割合
公正取引委員会の平成29年3月の調査報告書によると、全国の葬儀全体に対する直葬の割合は5.5%となっています。
直葬(火葬のみの葬儀)を行う人の割合は年々増加傾向で東京都市部では5人に1人というデータもあります。
葬儀の種類 | 割合 |
---|---|
一般葬 | 63% |
家族葬 | 28.4% |
直葬 | 5.5% |
一日葬 | 2.8% |
社葬 | 0.3% |
参考:公正取引委員会:葬儀の取引に関する実態調査報告書(平成29年3月22日)
直葬の費用相場
一般葬が100万~200万円かかるのに対し、直葬(火葬式)の費用相場は10~30万円台とかなり、リーズナブルです。
直葬では告別式や通夜式を行わない為、会食や会場、祭壇などにお金がかからない分、安くなっています。
直葬プランの内訳
一般的な直葬プランの内訳には下記のようなものが有ります。
- 遺体搬送
- 霊柩車
- 霊安室使用料
- 防水シーツ
- ドライアイス
- 枕飾り
- 棺
- 骨壺
- 人件費(事務手続き)
- 火葬場案内
- 火葬式の進行
葬儀社により、標準プランに含まれているもの、いないものが有るので詳細は複数社に資料請求して比較すると良いでしょう。
追加の費用
その他追加の費用には下記のものがあります。
火葬場の利用料
公営の火葬場を利用する場合は住民であれば、無料のところもあります。
その場合は火葬料金は追加無しです。
無料では無く、火葬費用が発生する場合は、差額分が別途必要です。
火葬料金は無料~10万円の間で地域や公営火葬場なのか民営火葬場なのか、によりバラつきがある為、確認が必要です。
僧侶
無宗教の場合は必要ないですが、火葬の際、僧侶を呼んで読経をしてもらう場合はお布施やお車代が必要です。
お布施の金額は火葬場で数分の読経なら3万円程度、安置所と火葬場の2箇所で読経をしてもらう場合は6万~10万円程だと言われています。
戒名をつけてもらう場合はさらにお布施の相場は高くなります。
お車代は距離に応じて5千円+タクシー代程度です。
直葬で僧侶を手配する場合は葬儀屋の紹介やお坊さん便でも明瞭会計で僧侶が手配できます。
しかし、菩提寺が有る場合は予め菩提寺に相談しないと納骨できなくなる場合があるので先に菩提寺に相談しておきましょう。
その他
その他、火葬場での控室料、棺に入れるお花、遺体搬送が遠方で長距離の場合などオプションにより、追加料金が発生します。
直葬のメリット
- 費用が安い
- 弔問客の応対が無い分、故人とのお別れに集中できる
一般葬や家族葬と比較すると費用が格段に安く済みます。
法律により、逝去後24時間は火葬や埋葬をする事が禁じられている為、直葬と言ってもご逝去後、すぐに火葬するわけではありません。
ご遺体は一旦ご自宅か霊安施設などの安置所に搬送する事になります。
ご遺体の安置場所をご自宅や面会のできる安置所を選べば、弔問客の応対に追われる事無く、故人とじっくりお別れの時間を過ごす事ができます。
直葬のデメリット
- 周りの理解を得られない場合がある
- 葬儀後に弔問客が来る場合がある
- 菩提寺とトラブルになる事がある
近親者には危篤の段階で知らせ、直葬は故人の希望である事を伝えて理解を得る必要があります。
火葬後に知った方が後から弔問に来て対応に追われる事があります。
菩提寺が有る場合はトラブルを防ぐ為に予め相談する必要があります。
直葬の流れ
ご逝去後、医師の死亡診断書を受けとった後の直葬の流れは次のとおりです。
- 葬儀屋に連絡
- 安置場所を決める(死後24時間は火葬・埋葬はできません)
- 安置場所へ遺体搬送(自宅や霊安施設等へ)
- 納棺(棺に花や故人の物を入れます)
- 出棺
- 最後のお別れ(5~10分※僧侶に読経してもらう場合はここで)
- 火葬
- お骨上げ
直葬に呼ぶ人はどこまで?
直葬では故人の親、配偶者、子供など家族を中心で故人を見送ります。
ですから直葬の参列者の人数は基本的に10人以下で、1人という事もあります。
直葬に呼ぶ人に決まりはありませんが、通夜や告別式を省いた火葬だけの本当にシンプルな葬儀の為、故人に本当に近い関係の内々で行われます。
直葬でトラブルになりやすい事
直葬でトラブルになりやすい事例は次の事があります。
- 菩提寺への事後報告
- 親族への事後報告
- 葬儀後に弔問客の対応に追われる事がある
ここでは、家族葬で後々トラブルにならないように順をおってお話致します。
菩提寺への事後報告
菩提寺がある場合は、事前に直葬で葬儀を行う事を菩提寺に相談しておきましょう。
予め菩提寺に話を通しておかないとお墓に納骨が出来なくなったり、葬儀の費用が二重にかかったりといったトラブルが発生することがあります。
直葬でも安置所や火葬場で簡単な読経をしてもらったり、戒名を頂いたりする事はできるので前もって菩提寺に相談しておく事が大切です。
親族への事後報告
また、家族葬でトラブルになりやすい原因として、親族への事後報告というものがあります。
直葬に呼ぶ呼ばないに関わらず、故人の血縁者などへは危篤になった時点で知らせておきましょう。
例えば遠方に住む故人の兄弟に知らせず、葬儀後に事後報告すると揉める場合があるからです。
「遠方に住んでいる」「高齢」等の理由でたとえ疎遠になっていたとしても、故人の親や兄弟、子供等の近い血縁者には、危篤になった段階で知らせるのがマナーであり、思いやりです。
また、火葬のみの直葬について良く思わない方も多いので、事前によく説明し、シンプルな直葬を行う事が故人の遺志であり、家族の考えである事を伝え、理解を得る事が大切です。
葬儀後に弔問客の対応に追われる事がある
故人の人付き合いが広い場合は、葬儀後自宅に友人知人が弔問に来て対応に追われる事があります。
そのような事態が想定される場合は告別式だけでも行うというのも、ひとつの方法です。
直葬は家計に費用の負担が少ない事がメリットですが、安易に決めたりせず、よく考えて決めましょう。
直葬でトラブルを防ぐポイント
直葬でトラブルを防ぐポイントをまとめると下記になります。
- 菩提寺がある場合は予め菩提寺に相談する。
- 近しい親族には危篤の段階で知らせる。
- 直葬とは何か説明し直葬を行うのは故人の遺志である事を伝える。
- 故人が人付き合いが多い場合は告別式も視野に入れよく検討する。
葬儀で受けられる補助金
葬儀費用を負担した場合、健康保険の補助金制度を申請すれば、葬儀費用の負担を減らす事ができます。
ご逝去された方が加入しておられた健康保険の種類や地域によって金額が違いますが申請すれば3~7万円程の補助金が支給されます。
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
- 社会健康保険
補助金申請に必要な書類
補助金申請に必要な書類は一般的に下記の書類が必要になります。
- 故人の保険証
- 葬儀会社の領収書など喪主を証明できる書類
- 印鑑
- 受取通帳
※国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合、自治体によっては稀に直葬だと葬儀を行ったとみなされず補助金が貰えない場合があるようです。
※詳細は各健康保険の担当窓口にお問い合わせください。
直葬のQ&A
ここでは直葬でよくある質問にお答えします。
直葬と一般葬の違いは?
一般葬が通夜や告別式を含む2日間に渡る葬儀なのに対し、直葬は通夜や告別式を行わない火葬のみの葬儀なので費用もかなり抑えられます。
直葬と家族葬の違いは?
家族葬では通夜や告別式が葬儀に含まれるので費用は平均40万円前後からになります。それに対し、直葬では火葬のみが行われる為、費用も10万円前後から可能です。
直葬と一日葬の違いは?
一日葬は通夜を行わず、葬儀・告別式、火葬までを1日で行う葬儀です。
それに対し、直葬は通夜も告別式も行わない火葬のみの葬儀の為、費用が安く抑えられます。
直葬と密葬の違いは?
密葬は後で本葬を行う前提で行われる身内中心の葬儀なので通常は通夜や告別式を含みますが、直葬は火葬のみの葬儀です。
直葬で僧侶に読経・お祈りはしてもらえる?
多くの場合、直葬の基本プランに僧侶の読経は入っていません。
しかし葬儀屋のオプションを付ければ火葬場で火葬前の5~10分の短い時間ですが読経してもらう事ができます。
菩提寺が有る場合は菩提寺に、キリスト教会に所属している場合は神父や牧師に相談してみましょう。
直葬で棺にお花は入れられる?
葬儀屋の直葬プランのオプションで付ける事もできますし、自分で用意して入れる事もできます。
自分で用意する場合は棘や毒のあるものや色や匂いの強い花は避けましょう。
葬儀屋の担当者に相談してみると間違いないでしょう。
直葬で香典は必要?
直葬では香典を辞退されるケースが多いです。
しかしそれはご遺族の考え方により変わるものなので一概に「直葬だから香典は必要ない」とは言い切れません。
はっきりと香典辞退の意志表示があれば香典は必要ありませんが、それが無い場合は香典を用意しておくのがマナーです。
そして香典をお渡ししてそこで断られた場合は間違いなくご遺族の意志なので香典は必要ありません。
香典を頂くと香典返しをしなければならず、それが負担になる事もあるので断られた場合は無理にお渡しするのは避けましょう。
香典を辞退したのに香典を頂いた場合は?
香典を辞退したのにそれでも香典を頂いた場合は、断るのは失礼になるので頂戴し、四十九日後、又は当日半返しで香典返しをします。